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プロ野球、阪神タイガースとオリックス・バファローズの「優勝パレード」について、大阪府府民文化総務課が大阪府立学校の校長・准校長宛に、パレード実施のクラウドファンディングに協力するよう求める文書を出したことがわかった。現場の教職員からは不安が広がっている。
経過
大阪府にもゆかりがあるタイガースとバファローズがそれぞれリーグ優勝したことを受けて、大阪府の吉村洋文知事が中心となって政治主導で、「2025年大阪・関西万博」と無理やり結びつける形で、実行委員会形式で、2023年11月23日に大阪市・御堂筋と神戸市・三宮の2ヶ所で、両チームの「優勝パレード」をおこなうことを持ちかけた。
沿道の警備費などに約5億円かかるとして、パレードの実行委員会は「クラウドファンディング」で資金を集めることにした。
また大阪府は、知事部局の職員に対して、ボランティアで会場整理要員を動員することも打ち出した。府の職員労働組合を通じて抗議の声が上がっているという。
そして教育委員会部局である学校に対しても、知事部局の府民文化総務課が通知を出す形で、2023年11月7日付で協力要請の事務連絡を出したという。
『しんぶん赤旗』が事務連絡を入手し、2023年11月9日付同紙で報じた。
クラウドファンディングの到達点は、目標額から大きく下回っているという。そのことで、実行委員会副委員長を務める吉村洋文大阪府知事が、クラウドファンディングへの協力を呼びかけていた。
大阪府ではこれを受け、府立学校の教職員に協力を呼びかける形になっている。しかも呼びかけは勤務時間外に、3000円以上で求めている。
これについては、教職員組合からも疑問の声が出ている。「誰が寄付をしたかが分かる。それが個別の教職員の評価にもつながりかねない」「府から校長に依頼するとしても、本来なら教育委員会を経由すべきだ」「府も呼びかけが問題だと認識しているがゆえに、勤務時間外に申し込むように求めているのではないか」など。
雑感
大阪府のやり方は、なりふり構わないという印象を受ける。
タイガースやバファローズのリーグ優勝を政治活動的に利用しようと図っていること自体が、極めて疑問である。しかも、建設費が大幅に膨れ上がるなどして問題になっている2025年大阪・関西万博をどさくさに紛れて紛れ込ませて、見直しの選択肢も必要ではないかとも指摘された万博を無理やり推進するというのも、問題があろう。
しかもこのようなやり方では、職場での職務上の圧力、また勤務評定などにもつながりかねないという不安なども出てくる。クラウドファンディングについては、協力するにしても、個人としての自発的な意思が保障されるやり方にすべきであろう。
このようなやり方は好ましくない。撤回されるべきであろう。