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私立相生学院高校(広域通信制・単位制。本部・兵庫県相生市)のサッカー部監督が学園側と対立して更迭されたことをきっかけに、同部部員数十人が、監督の移籍先であるAIE国際高校(広域通信制・単位制。兵庫県淡路市)に転入手続きを進めていることがわかった。

経過

報道によると、以下のような内容が指摘された。

相生学院高校のサッカー部は同校淡路校(兵庫県淡路市)に拠点を置き、「プロサッカー選手の育成」をめざし、また高校としての対面授業の実施などをおこなっている。

同校の監督は2023年10月16日付で解任された。学校側の主張によると「部員へのパワハラなど不適切な指導があった」としている。一方で監督はそれを否定した。

その後、2023年11月10日時点では部員37人がAIE国際高校への転校手続きを済ませ、部員29人についても転校手続き中で受け入れ待ちの状態だという。

雑感

部活動の指導者の異動などに伴う、生徒の大量転校は異例のことだという。

過去には、2012年に仙台育英高校(仙台市)の陸上部員10人が、「東日本大震災などでの練習環境の変化・困難」などを理由として、愛知県の私立豊川高校(愛知県豊川市)に集団転校したことがあった。この件については、ともに強豪校といわれる学校間での転校であることや、「震災を理由にした緊急避難的な転校」には当たらないのではないかという批判が起きていた。

また2014年には、前年2013年に発覚した愛知県立豊川工業高校(現・豊川工科高校。愛知県豊川市)陸上部監督の「体罰」事件で、同監督が停職処分を受けて退職したことを機に、停職・退職後も有志指導の形で指導を受けていた一部部員が、監督の新しい赴任先となった日体大荏原高校(東京都)に集団転校する事案もあったことも紹介されている。

過去にもそういうことがあったが、今回の転校も異例のものとなっている。

今回の件については、パワハラや不適切指導などの事実関係については、学校側の言い分と当事者側の主張が真っ向から対立している。また報道などでも具体的な内容が指摘されていないので、現時点ではどういうことがあったのかということは断定できないし、ここでは差し控える。

しかしながら、普通教育と専門教育をおこなう場である学びの場の高校で、部活動に偏重したようなことになっているのは、一般的にいっても好ましいことだとは思えない。

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