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政府はこのほど、国立大学法人法の改定案を国会に提出した。国会で審議中となっているが、「大学自治を狭めるもの」だとして、現場の大学関係者からは不安と反発が広がっている。
法案をめぐる状況
同法案の骨子は、一定規模以上の国立大学法人を「特定国立大学法人」と位置付け、「運営方針会議」の設置を義務付ける。運営方針会議では従来の大学の意思決定よりも強い権限を持ち、また経営の専門家など学外からの委員も想定しているという。委員は文部科学大臣の承認を得た上で学長が任命することになる。
このことで、大学運営だけでなく教育研究なども含めて、政財界の意向が大学に影響を与える余地が増えるとも危惧されている。このことで大学自治が狭まり形骸化されるとも危惧されている。
大学教員らは2023年11月14日、東京都内で反対集会を開催した。
雑感
確かに今回の法案では、そのような危険性につながるものになってしまっている。
盛山正仁文科相は国会で「文科相の任命は形式的なもの」だと答弁し、「明らかに不適切と客観的に認められる場合など」を除いては、原則として拒否はできないとする見解を示した。しかし、2020年9月に当時の菅義偉首相が、同様に「形式的」となっている日本学術会議の委員任命について、学術会議側からの推薦名簿に掲載された候補者のうち6人を不同意にした事案があった。いくら国会答弁で「形式的」だとしていても、法案に任命権を明記することで、時の政府次第では拒否も可能になってしまうということになる。
このような法案は、極めてまずいものだというべきであろう。