当ブログは2024年8月以降、新サイト(https://kyouiku-blog.hatenablog.jp/)で更新をおこなっています。
福岡県吉富町立小学校でいじめ不登校案件があり、「重大事態」として調査が進んでいる問題に関連して、当事者児童・相手側の児童の双方の保護者と面識がある吉富町の町長が、学校や調査委員会とは別に、双方の保護者と話し合いの機会を持ち、「親同士の話し合いを勧める」とアドバイスしていたことが、2023年11月16日までにわかった。一部マスコミ報道では「介入」と批判している。
経過
報道を総合すると、経過は大筋で、以下のようになっているようである。
吉富町立小学校に通う児童は2023年1月、同級生から暴力を受けるなどして不登校状態になった。この問題について、学校側は2023年4月にいじめ「重大事態」に認定し、調査を進めている。
「重大事態」に認定される前の2023年4月、被害者の保護者が、学校の対応の遅さなどを指摘する嘆願書を町宛に出した。嘆願書を受け取った町長は、学校側には無断で、かねてから面識がある加害者側の保護者と面会し、聴き取りをおこなった。さらにその後、かねてから面識があった被害者側の保護者とも面談の機会を持ち、町長は加害者側の保護者とも面識があることを明かしながら「いじめ防止対策推進法ではなく、親同士での話し合いを勧める」との趣旨で、早期解決を期待する発言をした。
この件についてマスコミで報じられている。町長は各マスコミ取材に対して、「町長として、速やかに解決するためになんとかしたいという思いで、最善のことをしたつもりだった。悪意はなかったが、軽率だった」という趣旨を話しているという。
雑感
町長は一個人としては悪意がなかったのかもしれない。しかしいじめ問題への対応という意味でも、また首長と教育行政との関係という意味でも、軽率だったというそしりは免れないのではないかとは思われる。
いじめ問題については、いじめ防止対策推進法に沿った手続きという意味でも、またもっと広く「こういう問題には対応に一定の専門的スキルがいるので、ヘタなことをすると、たとえ対応する側が善意だとしても、こじらせてしまいかねない」という意味でも、こういう軽率な対応によって不要にこじらせることにもつながりかねない。
こういうことでよかったのだろうか。