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東海大学付属福岡高校(福岡県宗像市)で2022年3月、当時2年だった男子生徒が、所属していた剣道部のいじめを苦にしていると訴える遺書を残して自殺した事案があった。

第三者委員会は2024年2月20日に記者会見を開き、生徒へのいじめがあったことと、顧問教員の対応が「不適切指導」に該当することなどを認定する内容を公表した。

一方でいじめと自殺との因果関係については、「原因のひとつとなった」とする見解にとどまり、十分に認定できていないとしている。

第三者委員会の発表によると、生徒はほかの大勢の部員の前で、上級生から体を押さえられて下着を脱がされ、その様子を撮影されるなどの性的暴行など、約10件のいじめがあったとしている。

さらに顧問教諭は、当該生徒について「生活態度が悪い」などとレッテルを貼り、剣道部の寮への再入寮を求めても拒否したとしている。いじめについては、事実関係を把握していながら放置し、学校側への報告などはいまだにおこなっていないとしている。

生徒はいじめと顧問教諭の対応によって精神的に追い詰められたとしている。一方で家庭環境などをあげ、いじめや顧問教諭の対応だけが自殺の原因ではなく、複合的ない要因が積み重なったと結論づけた。

生徒の遺族は「いじめが一定認められた」としながらも「十分ではない」と不服を示し、再調査を求める意向を示しているとしている。福岡県は、再調査の是非についての検討をおこなっているという。

いじめがあったこと、そのことが認定されたことは、確かに一歩前進ではある。その一方で、十分ではないという判断がされていることも、重く受け止めていかなければならないだろう。再調査を速やかにおこなうことを支持したい。

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