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東京都町田市立小学校で2020年11月、6年だった女子児童がいじめを訴える遺書を残して自殺した。
この事件について調査していた町田市の第三者委員会は2024年2月21日、調査報告書を公表し、市長に手渡した。
事件の概略
事件は2020年11月、児童が自殺したものである。背景に、「ICT教育推進モデル校」をうたった当該校での、不適切なネット端末管理と、そこから派生した児童間のネットいじめがあったとも指摘された。
また学校側が事態を把握しながら、適切な対応を取っていなかったことも指摘された。
第三者委員会では、児童の同級生がチャットで、当該児童について「うざい」「本当に死んでほしい」などと書き込みをおこない、それを当該児童が偶然見ていたことが明らかになっている。このことをいじめと認定した。
またこのほかにも、同級生が「友人関係を解消する」と当該児童に告げたことも、いじめと認定した。
また、行為者は特定できなかったものの、何者かが当該児童の机に、悪口を書いた紙を入れた行為があり、そのこともいじめだと認定した。
調査委員会では、複数のいじめを認定している。その一方で、いじめと自殺との因果関係については、学校でのできごとも一因ではあるとした一方で、「複合的な要因」と指摘し、いじめが自殺の原因と断定するには至らなかったとして、特定できなかったと結論づけた。
学校側の対応についても指摘している。「2020年10月以降のいじめはなかった」「いじめと自殺の因果関係はない」という説明に終始していた学校側の対応について、調査委員会では不適切だと指摘している。
雑感
いじめが認定されたことそれ自体は、この間に明らかになっていた状況を考えると、当然のことであろうとは考えられる。
一方で、いじめと自殺との因果関係について十分に踏み込んでいない結論になったのは、遺憾だとも感じる。
この事案については、国のICT教育の先取りの中で、当時全国に先駆けて「1人1台」のネット端末配布を実施していた当該校でのICT指導体制に問題があったことで生じたネットいじめも一因だとも指摘されている。そのことについての、調査委員会での報告内容は、報道の内容からは見えてこない。このことも気になる点である。