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東京都世田谷区教育委員会が2023年、区立小中学校で児童・生徒に配布した学習用端末から、検索機能を学校側が閲覧できるような仕組みを、一時導入検討していたことがわかった。

教育委員会が区議会に報告したところ、議員から否定的な見解が出され、撤回したという。

経過

マスコミ報道によると、この間の経過は、大筋で以下のようになっているとされる。

世田谷区教育委員会は2023年6月、児童・生徒が検索している言葉を調査し検証する取り組みをおこなうとして、区立の4中学校で試行的に、学校側が把握できるようにするフィルタリングソフトを導入する取り組みをおこなうと、区議会で報告した。

これに対して、無所属区議が、LGBTの児童・生徒を例に挙げながら、「例えばLGBTなどの性的少数者の子どもは悩みを学校や親に相談しづらい場合が多い」と例示した上で、それらのセンセーショナルな情報を学校側が把握するのは「検閲めいている」と、否定的な見解を出す質疑をおこなった。

答弁に立った教育長は「一度白紙に戻して検討する」としたのち、翌2023年7月には試案を白紙撤回した。

雑感

内心の自由や通信の秘密、プライバシーの問題などから、第三者が検索履歴を閲覧できるような形にすることは、極めて懸念がもたれる案件である。

いくら教育や生徒指導の目的があるとはいえども、さらにその上位に立つ日本国憲法に抵触するような措置は、極めてまずいこととなっている。

撤回は止むなしなのではないかとも思われる。

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