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京都府宮津市議会は2024年3月28日、市立小学校1校を3月31日付で閉校とし、4月1日からは隣接区域の小学校に統合する議案を、賛成多数で可決、成立させた。

また保護者から出た「統合を1年延期する請願」も不採択とした。

この措置については、議会での議案成立から実際の閉校までわずか3日間しかないことから、賛成議員からも手続きに問題があったと認めるなどとする声が上がっているという。

経過

統廃合対象になった宮津市立養老小学校は、児童数の激減で、新年度には在籍数が6人になる見込みだった。このことから2024年3月31日付で閉校し、4月1日より宮津市立府中小学校に統合するとしている。両校は約13km離れているという。

議案に反対した市議は、当該校で市教委が「区域外就学」を導入したことや、保護者が中立的立場で統合・再編を検討する委員会の設置を求めたにもかかわらず市教委が設置しなかったことなどを挙げ、あまりにも乱暴すぎて、地域の分断を招いたとした。

議案に賛成した市議も、「意思決定が遅れた」「請願には熟慮の末に反対の判断を取ったが、市には今後このようなことがないようにしてほしい」などと注文を付けた。

雑感

学校の統廃合については、実際に通うこどもたちや将来通うことになるであろうこどもたちの利益を最優先に考え、保護者や地域住民の合意と納得をもとに進められるべきものである。

一般的にいえば、最終的には実施の判断になることもありうる。しかしながら、必ずしも合意と納得によって進められているとまではいえず、地域住民の反対の声や、「手続き上の疑念」を指摘する声に対して、行政が強力な態度で押し通すこともしばしばみられる。

この件については、地域住民の合意が十分に得られていない段階で、しかも「廃止するにしても時期尚早」という指摘もあるにもかかわらず、年度末の3月末に議案を可決・成立させ、わずか3日後からの統合としたもの。

事前に教育委員会が素案を出しているのだろうが、地域の合意という意味でも、また受け入れ先の学校の新年度体制の構築という意味でも、いくら何でもすさまじいものだという印象も受ける。

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