当ブログは2024年8月以降、新サイト(https://kyouiku-blog.hatenablog.jp/)で更新をおこなっています。

奈良教育大学附属小学校で2022年度~2023年度にかけ、男子児童への継続的ないじめがあり、被害児童が公立小学校への転校に追い込まれていたことがわかった。

奈良教育大学が2024年4月9日に記者会見し、明らかにした。

経過

被害児童は同校3年だった2022年以降、複数の児童から、「死ね」などと暴言や暴力を受ける、ものを捨てられるなどのいじめを継続的に受けた。

2022年5~6月頃、同級生がこの児童を名指しして「(児童が)クラスにいらないやつだと思う人は手を挙げろ」などとほかの児童にけしかけるいじめがあった。その様子を、担任だった女性教諭は目撃していたが、教諭はそれらの経緯を問題視せず、その場での制止などの対応は取らなかったとされる。

児童は欠席が続くようになり、不登校状態になった。児童の保護者が学校側に相談したが、担任教諭は学校としての組織的な対応や情報共有などは十分にしていなかったと指摘されている。

児童は4年時の2023年8月、奈良市立小学校に転校した。転校先の小学校の校長が保護者から事情を聴き、奈良教育大学附属小学校の校長に連絡を取って、事態が発覚した。

奈良教育大学では「重大事態」と判断し、外部の有識者を入れた第三者委員会での調査をおこなった。第三者委員会では、児童が受けた行為をいじめだと判断した上で、担任の行為など学校側の対応を不十分だと指摘した。

当該担任教諭は、事態発覚と前後して2023年8月より産休に入り、2024年3月にそのまま依願退職したという。

奈良教育大学附属小学校では同時期、学習指導要領に沿わない指導をおこなっていたことが発覚したとも指摘されている。大学側の記者会見では、いじめ事案・不適切指導とされる事案のいずれも、校長(大学教員が兼任)に情報が共有されていないという共通点があったと指摘した。

雑感

学習指導要領に沿わない指導の問題については、いじめ問題とは別件でもあり、またいじめ問題とリンクさせると論点が複雑になるので、ここでは深入りしない。

しかしながらいじめについては、当該児童の人権にもかかわることでもあり、このような対応は決してあってはならないことだといえる。報道で指摘されている内容をもとにすれば、このような対応はありえないレベルの話だというべきものであろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集