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2025年に大阪市の埋め立て地・夢洲を会場として実施予定の、2025年大阪・関西万博に関連して、大阪府をはじめとした近畿地方の6府県が、小中学生・高校生などの児童・生徒を無料招待する事業を準備している。

万博については、会場までの交通アクセス問題が指摘され、また会場での地盤問題やメタンガス発生問題、工期の遅れの問題などさまざまな課題が指摘されている。すでに関係府県では、教職員組合や市民団体などから、招待の見直しを求める要望が出ているという。

招待事業での課題

招待事業では、主に学校行事での実施を想定しているとされる。4歳児から高校生までを無料招待の対象にした大阪府では、学校や幼稚園などから希望日時の聴き取りをおこない、それを元に割り振りをおこなうともされている。

しかし、学校などの年間計画の関係で、ほぼ同じような日程に希望が集中するおそれがあることが指摘された。

さらに会場へのアクセスについても、延伸予定の地下鉄や会期中に大阪市内主要駅ターミナルから発着するシャトルバスといった公共交通機関のほかは、貸し切りバスでの運用となると見込まれている。

鉄道利用の場合は、混雑する地下鉄での児童・生徒の引率に不安があるとも指摘された。

貸し切りバス利用の際の課題

貸し切りバス利用の場合も課題が指摘されている。

かねてからのバス乗務員の不足問題などもあり、貸し切りバスの台数確保にも課題があるとも指摘された。

バス駐車場予定地のすぐそばにあるトイレの建設工事中、この場所が産業廃棄物を埋め立てた「ゴミの島」であるという事情から、メタンガスが発生し、引火する事故が報じられている。メタンガスは継続的に発生しているとされ、会場建設工事従事者だけでなく、来場者にも影響を与えると懸念されている。駐車場にバスを駐車させることで、児童・生徒や引率の教職員、バスの乗務員に影響が出ることが懸念される。

さらに駐車場から会場までは1kmほどと、相当長い距離を歩かされることにもなるとも指摘された。熱中症などの体調不良とそれへの対応の問題、支援学校をはじめ車椅子を使用する児童・生徒の移動の問題などにも、不安の声が指摘されている。

報道によると、大阪府南河内地域のある公立小学校で、貸し切りバスで実施した場合の見積もりを取ったところ、バス会社からは「1人6000円」と提示されたと報じられている。招待事業で入場料は無料となるものの、会場までの交通費は家庭負担になることが見込まれている。そのため、報道で報じられた学校の校長は「負担をお願いするのは心苦しい」などと取材に対して話したという。

招待事業を無理におこなう必要はない

実際の会場への交通アクセスなどについての具体策は、秋以降に詰める方針だともされている。しかしながら、この時点でもかなり深刻なことが指摘されているということにもなる。

このような重大な課題が指摘されているもの、無料招待をおこなう必要はないのではないかとも思える。

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