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産経新聞2024年5月23日付に『2024年問題が修学旅行を直撃 バス運転手を確保できず 路線バスの大幅減便も』が掲載された。
バス運転手の時間外労働時間の上限規制が強化される、いわゆる「2024年問題」に伴い、バスの運転手不足が生じているという記事。学校の修学旅行にも影響を与えていることが紹介されている。
東京都のある中学校が奈良に修学旅行に行くことになったが、新幹線の駅からの貸切バスが確保できないと、旅行会社「近畿日本ツーリスト」の担当者から連絡があり、駅からは鉄道に利用に振り替えたことが紹介されている。
記事によると、当該校では東京から新幹線で関西方面に向かう行程で、京都駅から奈良の間で貸切バスを利用する方向での計画を立てた。しかし修学旅行を担当していた近ツーは「バスが確保できなかった」と学校側に連絡し、最終的には公共交通機関利用に振り替えたとしている。別の学校でも同様に、貸切バスが確保できなかったとして、公共交通機関利用に振り替えた。
京都あるいは大阪から奈良に行くのは、鉄道でも手段があり、可能ではある。一方で、慣れない土地で大人数の生徒や教職員が移動することを考えると、生徒や教職員の負担を考えれば貸切バスを選ぶことになるとは考えられる。
また、富山地方鉄道(富山県)では、修学旅行の貸切バス運転手の確保のため、2024年5月半ばには、一般向けの高速バスを、予約開始後に急きょ減便・運休させる措置をとった。
修学旅行での貸切バスが確保できなかったことでの行程変更。また逆に、修学旅行での貸切バス確保のために一般輸送にしわ寄せがくる。深刻な状況になってしまっている。
記事では、路線バスの減便などについても触れられている。
需要の確保、運転手の安全や労働条件の確保など、あらゆることを両立させることが必要になってくる。緊急の措置としては利用者へのしわ寄せになるようなことはやむを得ないものがあるのだろうが、長期的あるいは根本的には、そのようなことが起きないような対策も必要になってくる。