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札幌市北区の札幌市立中学校で2024年4月、教員が生徒指導用の資料を一時紛失して流出させた問題で、札幌市教育委員会は2024年7月8日、資料を一時紛失した担任の20代女性教諭を戒告、校長を減給1カ月(10分の1)の懲戒処分にしたと発表した。

教諭は個人情報の不適切な取り扱い、校長は管理監督責任だとした。校長のほうが重い処分になったことについては、「学校として取り扱いの体制を十分に整備していなかったのが今回の大きな要因」だとした。

また札幌市教育委員会は同日、中央区の別の市立中学校でも2024年5月、同様に、生徒の個人情報が書かれた資料を教諭が教卓の上に置き忘れ、生徒が一時閲覧して週出する事案があったことを公表した。

北区の中学校の事例

北区の中学校では、教諭が体育館の演台に、教諭の受け持ち学年全員分の生徒の個人情報を記載した資料を置き忘れ、数日間その場に放置していた形で、一時紛失していた。

その間に、部活動などで体育館を利用していた生徒が気づき、資料を閲覧していた。資料は生徒指導の必要性を考慮して作成されたものだというが、生徒個人や保護者についての繊細な情報も含まれていたとされている。

一部の生徒が資料を写真撮影し、第三者に提供してSNSに流出した。

中央区の中学校の事例

中央区の中学校でも2024年5月16日、新学年の学級編成に際して使用された生徒指導の資料を教卓上に置き忘れ、一部の生徒が閲覧していた。

資料では、一部の生徒について、生徒指導で配慮を要する事項などが記載されていた。

この中学校では同日中に流出に気づき、資料を回収し、教育委員会に報告した。

個人情報の扱い

これらの資料については、職員室外への持ち出しは禁止されていた。しかしいずれの学校でも、ずさんな取り扱いで、「生徒資料上の資料にする」として、職員室外に持ち出していた。

しかも、個々の生徒に関する評価では、短い言葉で乱暴な表現とも受け取られるような形で、否定的な内容が記載されていた。

札幌市教育委員会では4月の北区の中学校での情報流出事件を受け、2024年5月24日付で対応策を公表し、各学校に通知した。しかし入れ違いのような形で、中央区の中学校での事案が発生したことになる。

生徒指導用や学級編成などの資料として使用する関係上、その資料には生徒や保護者について、センシティブな内容も含むかなり高度な個人情報が記載されることは、想像に難くない。これらの扱いについて、このようなずさんな対応でいいのかという印象を受ける。

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