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札幌市立中学校に通っていた元生徒の女性(2024年7月時点では高校2年)が、「在学当時にいじめを受け、学校側の対応が不適切だったことで、不登校に追い込まれて学業などの機会を奪われ、将来設計に支障が出た」などとして、札幌市教育委員会を相手取り約550万円の損害賠償を求める訴訟を、札幌地裁に提訴した。

事件の経過

報道を総合すると、事件の経過は大筋で以下のようになっている様子。

2020年7月、当時同中学校1年だった女子生徒は、同級生から「豚まん」などと呼ばれるなどした。さらに同級生が、この生徒の小学校の卒業アルバムを画像加工し、「肉まんなら、いつでもあげます」などとコメントを書き込んで中傷する動画を、SNSで流されたとしている。

生徒は学校側に相談したが、対応した担任教諭は、生徒に対して「仲良くできるように許してあげなさい」などと発言した。

生徒はその直後に登校できなくなり、不登校状態のまま中学校を卒業した。

学習面でも大幅に遅れ、高校進学の際の選択肢が狭まったと訴えている。生徒は学習面について、不登校状態になってから約8ヶ月後に一部の教科でオンライン学習を受けられたものの、十分な学力が身につかなかったと訴えている。

また学校側は、第三者を入れた「いじめ対策委員会」を設置することになっていたが、しなかったとも訴えている。

この事案は「重大事態」に認定され、札幌市教育委員会がいじめを認める調査報告書を出している。

雑感

報道通りなら、生徒の訴え通りならば、生徒がいじめ被害を訴えた時点での教諭の対応は、正直言って異常で異質だと感じるレベルで、ありえない対応をおこなっているという気がしてならない。

いじめ被害を訴えているにもかかわらず、いじめに対応しないまま「(相手を)許してあげなさい」など、何事かと感じる。これでは実質的に、教師もいじめを黙認しただけでなく、加勢したようなものだとも感じる。

今回の訴訟の状況、および個別の事例については、今後の展開を見守るしかない。個別の話とは切り離して一般的にいっても、いじめを訴えた生徒に対して、このような対応はありえないということは、強くいっておかなければならないだろう。

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