広島県北広島町教育委員会は1月14日、町や県が実施した統一学力テストの際、国語科を担当する教諭が試験中に生徒にヒントを与えるなどしていたと発表しました。


 2010年12月に実施した町教委の学力調査では、国語の試験時間中、論述問題について「これを使うと書きやすい」などと具体的な語句を示してヒントを与えたといいます。
 採点の際、同じ語句を使った解答が目立っていたことを採点者が不審に思い、事件が発覚しました。
 町教委の調査で、教諭は2010年6月に実施した県の学力調査でも、同様にヒントを与えたり、リスニング問題の際にはリスニングの原稿を配布するなどしたこともあわせて発覚しました。
 教諭は動機について「平均点を上げたかった」などと話したということです。
 学力テストで、平均点や学校・地域の順位比較などに過剰に執着する弊害が現れた形になります。
 もちろん、生徒一人一人の到達点を測り問題点を把握するという観点からの学力テストならば必要でしょう。しかし一人一人の到達度を見ずに、統計上たまたまそうなっただけにすぎない学校別・地域別の平均点や順位を「テストのすべて」「学校や授業担当教師の実力のすべて」かのように絶対視して一人歩きさせ、学校・地域の競争と序列化を進める悪しき弊害がまた現れた形です。
(参考)
◎学力テストで教諭がヒント「平均上げたかった」(読売新聞 2011/1/15)
◎学力テスト中に教諭がヒント 北広島町の中学(朝日新聞 2011/1/15)
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