大阪府教育委員会は5月6日、2011年度入学式での「君が代」不起立を理由に、府立高校教諭2人を同日付で戒告処分にしたと発表しました。


 処分を受けた教諭2人は1年生の学級担任だということです。校長は担任らに対して起立を命じる職務命令を文書で出していたといいます。一方で教諭らは「君が代斉唱の強要は教育現場にふさわしくない」「職務命令を出してまで押しつけるやり方に納得できない」などと話しています。
 大阪府教委は、この高校など数校の府立高校で3月の卒業式の際の「君が代」不起立が目立ったとして、この高校を含む9校を「課題校」と位置づけ、起立強要を図っていたといいます。
 そもそも入学式や卒業式など学校行事は、学校の自主性をもって運営することが学習指導要領の上でも明記されています。「君が代」を一方的に強要すること自体がきわめて異常です。また「君が代」そのものについても、社会的に意見が分かれるものでもあり、一方的な強要はなじみません。国旗国歌法ですら「強要は望ましくない」という政府見解が出されています。
 処分を受けた教員の主張こそが正当なものであり、処分には何の根拠もないことになります。また職務命令を出した校長や、押しつけを図る見解を各校に出した教育委員会の指導部こそが、違法性が疑われるような行為をおこなっていることになります。処分が必要というのなら、校長や教育委員会指導部の行為こそが処分の対象となるべきものです。
(参考)
◎君が代斉唱不起立:2教諭を処分--府教委 /大阪(毎日新聞 2011/5/7)
◎君が代斉唱時に不起立、教諭2人を戒告処分 府教委(朝日新聞 2011/5/7)
◎国歌斉唱で不起立の2教諭を戒告処分 大阪府教委(産経新聞 2011/5/7)
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