毎日新聞(web版)2011年5月12日付に『奨学金:施設出身女子大生借りられず 虐待の母同意望めず』と題する記事が掲載されていました。


 記事によると、幼少時に母親から虐待を受けて就学前から児童養護施設で育ち、今春大学に進学した学生(18)の事例が紹介されています。この学生が日本学生支援機構の奨学金を申請したところ、支援機構から「未成年者の契約は親権者の同意がいる」として申請を断られて途方に暮れているということです。
 この学生の場合、母親から虐待を受けていた上に小学校1年の時から会っておらず、同意を得ることは困難な状況だといいます。
 一方で現行法でも児童養護施設の施設長が親権を代行する規定があり、預金通帳などの発行・携帯電話の契約などについては親権代行が可能な場合もあるということです。この規定を適用して奨学金貸与を認めるべきという法曹関係者の指摘もあります。
 今回のような場合は、申請を受け付けても差し支えないケースだといえます。不正につながるようなおそれは考えられません。また奨学金が必要な人が申請すらできなくなるというのは、学生の学習権や生活にもかかわる深刻な問題です。
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