岡山市北区で特別支援学校高等部1年の女子生徒が母親から虐待を受け死亡した事件で、児童相談所や学校は虐待の兆候を把握しながら結果的に死亡事件を防げなかった形になっていたことが明らかになりました。


 被害生徒は知的障害などを持っていたということです。
 新聞報道などによると、生徒が中学生だった2008年頃から顔のあざなどが確認されていました。また生徒の体格も同年齢の平均値と比較して著しく小さかったこともあり、2009年頃には児童相談所も虐待疑いの情報を把握していました。
 中学校は、生徒の進学先の岡山県立岡山瀬戸高等支援学校に対して虐待疑いの情報の申し送りをおこなっていました。高等支援学校でもあざを確認していたといいます。
 高等支援学校は児童相談所に相談していたということです。事件直前の2011年2月には、被害生徒が「母親から殴られた」と学校関係者に話し、学校を通じて児童相談所にもその情報を伝えました。
 児童相談所と学校は2011年2月24日にこの生徒のことで協議をおこない、「母親との関係作りを進めながら、大事に至らないか見守る」との方針を確認しました。
 しかし4日後の2月28日、母親は生徒を縛るなどした上で裸にして風呂場に約5時間閉じこめ、低体温症で死亡させました。
 母親は約5時間後「娘が風呂場で死んでいる」と110番通報しました。警察を呼んだ際には「しつけのために縛って閉じこめた」と話しました。母親は5月23日に監禁致死容疑で逮捕されましたが、逮捕後の警察の調べには黙秘しているということです。
 虐待疑い情報を把握した児童相談所はもっと踏み込んだ対応をとれなかったのか、検証が必要となるケースではないでしょうか。
(参考)
◎逮捕監禁致死:16歳長女縛り死なす 体にあざ、体重27キロ 母を容疑逮捕--岡山(毎日新聞 2011/5/24)
◎岡山・監禁致死:「ごめんなさい」死亡の長女、反省文(毎日新聞 2011/5/24)
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