児童虐待への対策強化を柱とした改正民法および関連法案が、5月27日の参議院本会議で全会一致で可決・成立しました。

 児童虐待をおこなう親に対する親権停止制度の導入を柱としています。従来も親権喪失制度がありましたが、手続きが煩雑になることや親権回復が困難になることなどから、実際に制度を適用するのは困難でした。

 親権の内容も修正され、監護や教育は「子の利益のため」と明記しています。また「しつけ」を口実とした虐待への対策として、懲戒権についても「監護および教育に必要な範囲内で」としました。

 また改正児童福祉法も成立し、児童相談所や児童福祉施設の長は、緊急時には親権者の意に反する親権代行も可能となりました。

 これらの改正案は「もう少し踏み込むべき箇所もあった」という指摘もされているということですが、それでも従来と比較すればかなりの前進だといえます。

 法改正によって児童虐待事案を未然に防いだり、仮に発生しても早期に実効ある対策がとれるようになることを願います。

(参考)
◎虐待防止へ親権2年停止可能に 民法改正案が成立(朝日新聞 2011/5/27)
◎親権停止:改正民法が成立 虐待防止へ「子の利益」明記(毎日新聞 2011/5/27)
◎親権停止:改正民法成立 「もっと前からあれば」 施設関係者、前進と評価(毎日新聞 2011/5/27)
◎親権停止:虐待防止「2年」 親の改善に期待(毎日新聞 2011/5/28)
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