大阪市住之江区の3ヶ月男児虐待死事件では、児童を診察した医師が虐待の疑いに気づきながらも通報できなかったことが指摘されていました。このことに関して、虐待疑いに気づいた医師は1人ではなく複数いたことが判明したと、『毎日新聞』が報じています。




 『毎日新聞』web版2011年5月29日『大阪・乳児変死:複数医師 虐待を疑いながら通報せず』によると、以下のような状況だということです。



  • 2010/11/4 1ヶ月検診。母親が腕の異常を訴える。

  • 2010/11/16 左腕骨折と診断。大阪市立住吉市民病院の小児整形外科医が診察。

  • 2010/11/30 骨折で再び住吉市民病院に運び込まれる。虐待を疑い小児整形外科医・小児科医・小児科部長の3人が協議。

  • 「通報の前に、まず入院させて親から引き離す」として入院措置を決定。協議に加わった小児科医が主治医を務めた。

  • 2010/12/10 退院。虐待通報はされないままだった。


 小児整形外科医への取材によると、この医師は「退院までに、別の医師が虐待通報をしていた」と思いこんでいたということです。


 児童は退院翌日に意識不明状態で再び住吉市民病院に運び込まれました。重症と判断され施設が整った他の病院に転院措置がとられましたが、2011年1月17日に死亡しました。


 通報見送りの判断に加えて、その後の対応のまずさが最悪の結果を招いた形になったといえるのではないでしょうか。


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