横浜市で教科書展示会が始まったということです。8月末までに採択予定の中学校教科書をはじめとした教科書が展示されています。


 2011年は中学校教科書採択の年にあたり、来年度から4年間使用する教科書が決まることになります。
 前回2年前の2009年採択では、2012年度からの新学習指導要領実施を控えて採択期間が2年間の変則的なものとなりましたが、横浜市18行政区ごとに設定された18採択区のうち8区で、右派勢力が関与した自由社版の歴史教科書が採択されてしまいました。
 横浜市ではその後、採択区域が全市1区に統合されました。表向きは「中学校区単位での小中連携教育を実施するが、その際に区をまたいで構成する中学校区があるので教科書を統一する」となっています。しかし実際には、右派勢力が関与した教科書を採択しやすくさせるための策動ではないかとみられています。
 今回の教科書検定では、中学校の社会科歴史的分野・公民的分野が問題となってきます。「新しい歴史教科書をつくる会」系の自由社版、また「つくる会」の主導権争いで分裂した勢力による育鵬社版(扶桑社は教科書事業を子会社の育鵬社へ移行)の2者が検定を通過しています。
 右派教科書2社の取り扱いは全国的にも懸念課題ですが、とりわけ横浜市は採択の危険性が極めて高い地域の一つだといえます。右派教科書の支持勢力によるなりふり構わない策動も予想されます。史実に反していたりきわめて一面的な見解を一方的に書いているような教科書は学校現場での使用に耐えられるものではなく、2社の採択はなんとしても回避させなければなりません。
(参考)
◎採択前に教科書展示会始まる、中学歴史と公民への関心高く/神奈川(神奈川新聞 2011/6/8)
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