大阪府高槻市議会が12月15日に可決した『大阪府の「教育基本条例」制定に反対する意見書』の全文です。




大阪府の「教育基本条例」制定に反対する意見書
 大阪府教育基本条例は、9月定例会に議員提案され、継続審議となっている。同条例は以下に述べるように重大な問題点を持っている。
  第1に、学校と教育委員会に、全面的に政治が介入し、統制しようとするものであり、憲法に保障された教育の自由・自主性を踏みにじるものである。
  条例案は、知事が特定の教育目標を決めて教育に押しつけ、教育委員や教職員が目標を実現する責務を果たさない場合は、罷免や解雇につながる評価などで管理、統制することになっている。これは「教育は、不当な支配に服することなく」と規定している教育基本法第16条に違反するものである。また、地方自治法に定める教育委員会の権限、任務・役割を弱めるものである。
  第2に、条例案は、一斉学力テストの結果を市町村・学校別に公表。また、定員割れが続く高校の廃校など、行き過ぎた競争教育をさらに推進し、教育をゆがめるものである。
  国連子どもの権利委員会は、現状の競争教育について、日本政府に対して子どもの発達にゆがみをもたらしており、「学校システム全体を見直すこと」を勧告している。
  条例案については、教育委員、教育学者など教育界だけでなく、弁護士会、日本ペンクラブなどから批判や重大な危惧が指摘されている。
  したがって本市議会は「教育基本条例」を制定しないことを強く要請する。
  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成23年(2011年)12月 15日     高槻市議会
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集