毎日新聞2011年12月29日付(東京朝刊)に『発信箱:子供たちのために=落合博』が掲載されている。


 この文章では、学校での柔道事故について論を進めている。
 先日勝訴判決が出た、横浜市立奈良中学校柔道部事件では、顧問教諭の投げ技によって、頭を直接打たなくても強く回転がかかることで脳血管が損傷し急性硬膜下血腫を発症したことが認定された。この文章では、生徒のけがについて、乳幼児揺さぶり症候群と同じ原理だと指摘している。
 柔道での死亡事故は後を絶たない。平均すると年4件の死亡事故が発生している。その中には故意の暴行の疑いのあるものや、非科学的な根性主義的な指導の結果招いたといえるような事故もある。安全な指導について指導者が知識・指導法を向上させていくことが求められる。
 2012年4月には中学校体育科で武道が年間10時間程度必修となる。種目については柔道、剣道、相撲、その他の種目から1種目以上選択することになっているが、柔道を授業で取り入れる機会も多くなると見込まれる。
 しかしただでさえ柔道を専門とする指導者の下でも事故が多発していることを考えると、通常の体育の授業では柔道以外の競技を専門とする体育教員が指導に当たることも多くなり、事故が増える危険性も考えられる。
 記事では「安全対策が十分でないならば、延期を検討すべきだ。」と指摘している。確かに、条件のあるところでの導入までは否定しないものの、全国一律の必修化は延期にすべきではないかといえる。
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