産経新聞web2012年5月17日付に『新宿は越境制限 杉並は希望理由記入 都内の学校選択制見直しの動き』が掲載されている。

 全国的には2000年代初頭から導入が進んだものの、00年代後半になると各地で見直しの動きが進んだ学校選択制。東京都は学校選択制に積極的だった地域の一つでもある。この記事では新宿区と杉並区の状況を紹介している。

 新宿区では2013年度新入生より、通学区域内在住の児童で3クラス分が埋まる見通しになる大規模校では、通学区域外在住者の選択対象から外す一部制限措置をとることになった。

 また杉並区でも希望選択制を廃止し、指定校変更認定制度を活用する際は希望動機を具体的に記した書類の提出を義務づけるという。

 小規模校は小規模というだけで敬遠され小規模化がさらに進んだり、風評などで学校選択がされる傾向があり、学校間格差が進んだという。そのために新宿区では一部制限、杉並区では原則廃止の方向となった。

 全国的にも、群馬県前橋市や長崎県長崎市などで、一度導入した学校選択制を見直す動きが出てきている。これらの自治体でも、東京都の各自治体と同じような弊害が指摘されて見直しに踏み切った。

 無制限な学校選択制では弊害が大きいのは、各地の事例からも明らかである。その一方で、首長の意向で導入することに躍起になっている大阪市のような自治体もあるというのもどうなのだろうか。
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