滋賀県大津市立皇子山中学校2年の男子生徒が2011年10月に自殺した事件で、自殺直後の調査では「いじめは把握していない」と教職員全員が答えていたにもかかわらず、実際は2年の学年担当教員が生徒の異変を察知して対策会議を開いていたことが、7月14日までに明らかになった。


 2011年9月に2回ほど、それぞれ別の生徒から、「加害者グループが被害生徒をいじめているのではないか」とする相談が、担任や学年担当の教師に寄せられたという。9月末の体育祭の時には、被害生徒が加害者から暴行を受け、女性教諭が目撃してやめさせていたことも発覚している。
 2011年10月1日と同5日にはそれぞれ、加害者と被害者が暴力沙汰になっているのを教師らが目撃して指導したという。担任は被害者に「大丈夫か」と声をかけると「大丈夫」と答えたため、その時はそれ以上何もしなかった。
 学級担任を含む学年担当教諭は、他の生徒からの情報も踏まえ、被害生徒がいじめられている可能性があるとして対策を打ち合わせ、連休明けの10月11日にもアンケート調査をおこなうことを検討していた。しかし生徒は10月11日朝に自殺した。
 複数の教師がいじめの可能性を疑って打ち合わせもしながら、自殺直後の調査ではなぜ「把握していなかった」と嘘を言ったのか。これこそ隠蔽そのものではないか。
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