滋賀県大津市立皇子山中学校いじめ自殺事件で大津市が市長部局で設置する外部調査委員会について、市側推薦の委員内定者の野田正人氏(滋賀県臨床心理士会会長・立命館大学教授)が委員を辞退したことが8月24日にわかった。


 遺族側が野田氏について「生徒の自殺前に父親が滋賀県子ども家庭相談センター(児童相談所)に相談した内容を、野田氏が複数の第三者に漏らした」と指摘した。
 野田氏は「生徒の家庭状況について職務上の関係者と話したことはあるが、無関係の人に語った記憶はない。その情報を私から求めたことはない」と釈明したが、野田氏から話を聞いたという人によると「普通は知り得ない家庭状況の具体的情報を話していた。中立な調査ができるのか疑問に感じた」としているという。
 遺族側は8月24日にも抗議文を提出することを検討していたが、野田氏が委員を辞退することがわかり、抗議文提出は見送られた。
 いじめそのものの事実関係も極めて悪質で経緯も波乱含みなら、外部調査委員会も波乱含みとなっている。遺族側の主張通りなら辞退もやむを得ないのではないだろうか。
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集