関西外国語大学(大阪府枚方市)アメリカンフットボールに在籍していた2007年当時、先輩部員から執拗ないじめを受け、いじめから逃れるために学内の部室棟から飛び降り後遺症を負ったとして、神戸市在住の男性(25)が加害者を相手取り約4150万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は10月18日、加害者に対し1560万円の支払いを命じた。

 男性は2006年4月に入部したが、2007年になり先輩部員から「ミスの罰」などと称して、ライターで足の裏をあぶられたり、髪の毛をそられたりなどした。退部を申し出ると別の部員から「逃げるのか」などと言われ、2007年10月にはいじめを逃れようと突発的に飛び降りた。男性は足を骨折し、足の関節が曲がりにくくなる後遺症を負った。

 大学側は事件を把握した直後の2007年12月、部を廃部処分にし、加害者2人を無期限停学処分にした。加害者はその後自主退学したという。

 加害者側は「一連の行為は部で慣行的に行われてきた罰や悪ふざけに過ぎない。飛び降りは常軌を逸した行動で予見できなかった」などと主張したという。しかし判決では加害者側の言い分を退け、加害者側の行為はいじめと判断し、原告男性の飛び降り行為との因果関係も認定した。

 こういう悪質ないじめ・人権侵害行為が「罰」やら「悪ふざけ」やらと主張するなど、常識的には通じない。被害者の尊厳を全く無視した行為である。また、こういう行為がまかり通っていたことも異常なことである。

(参考)
◎いじめで飛び降り後遺症 先輩部員に賠償命令(読売新聞 2012/10/19)
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