横浜市の児童相談所で2009年、児童相談所に一時保護されていた3歳男児が、児童相談所から提供された食事を食べた直後に死亡した事件で、横浜地裁は10月30日、市の過失を認めて約5100万円の支払いを命じる判決を下した。

 男児は生後6ヶ月で卵や小麦への食物アレルギーと判明した。男児は栄養不足による症状が出て一時入院していたが、入院先の病院が「(両親が男児に)動物性たんぱく質を取らない考え方の食事をさせ、必要な検査や治療を受けさせない」として栄養ネグレクトと判断し、児童相談所に通報した。児童相談所は通報を受けて男児を一時保護した。

 児童相談所は2006年7月、卵を含む食品を誤って朝食に出し、男子はその日の午後に死亡した。司法解剖では食物アレルギーとの因果関係までは断定できなかったという。

 両親側は、「病院の食事を拒否したことはなく、十分な説明がないため検査を受けなかった」「(児童相談所は)親の聞き取りなどもせずに一時保護し、食事を誤って死なせた」と反論し、通告や一時保護の措置も違法で不当と主張した。

 判決では、男児の死因を食物アレルギーによるアナフィラキシーショックと判断し、食事を提供した際の過失を認めた。一方で、「病気の原因は原告らが与えていたタンパク源の少ない食事内容にあった可能性が高く、通告や保護は合理的だ」として、児童相談所への通告や一時保護の措置は妥当だったと判断している。

 色々と考えさせられる内容である。判決は全般的に適正ではないだろうかと感じる。
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