福井県福井市で少年スポーツチームの指導者が所属チームの小学生2人に暴行を加えて逮捕された事件で、警察が当初「被害児童がいたずらしようとしていたから注意して暴行に及んだ」かのような事実ではない発表をしていたとして、警察が訂正発表をおこなった。

事件は10月21日に発生した。福井市内の小学校グラウンドで練習後、指導者が小学生児童2人を投げ飛ばしたり膝蹴りするなどして、2人にそれぞれ全治1週間のケガを負わせた。容疑者は当時飲酒していたという。

容疑者は11月14日に傷害容疑で逮捕された。しかし記者発表担当の警察職員が、捜査担当者からの情報を誤って解釈し、「被害児童がいたずらしていたから暴行に及んだ」かのような説明を報道陣に対しておこない、記者発表を受けた報道が流れた。

しかし被害児童がいたずらしたという事実はなかった。被害者側からの抗議があり、警察が11月17日付で訂正発表をおこなった。警察は被害者側に11月16日夜に謝罪したという。

一般に事件や事故では、ありもしない「被害者の落ち度」が捏造されることで、まるで「正当なことをしているにもかかわらず“被害者”が事実をねじ曲げたために陥れられた」のような噂が振りまかれて深刻な二次被害を与えることも珍しくない

とりわけ子どもが被害者になる事件事故だと、加害者が「教育目的」かのように振る舞うことで、そういう傾向が深刻となる。事実無根の噂で二次被害を与えるような事態を防ぐためにも、こういう誤った情報の発表などはあってはならない。

(参考)
◎傷害:児童2人暴行、容疑の男逮捕福井署/福井(毎日新聞 2012/11/15)
◎福井の児童傷害:福井署、訂正と謝罪/福井(毎日新聞 2012/11/18)

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