橋下大阪市長のツイッター上での1月5日の書き込みでは、学校選択制とほぼ同時刻に、大阪市立大学の図書館についても触れている。


 大阪市大の学生と名乗るアカウントが、大学図書館の開館時間を改善してほしいと意見を寄せたことに反応している。




 大学図書館の開館時間の改善自体は、学生が不満を感じ要望が寄せられているのなら検討の余地があるだろう。大学として判断し、行政は財政面などで必要な支援を取ることが望まれる。
 しかし橋下ツイッターでは、根本的な問題には目を向けず、また事実誤認も含めて、単に大阪市大を攻撃する材料にしかしていないのではないかという疑念がつきまとう。
 大学図書館は世界標準だと24時間開館という話はよく言われる。ただ、京大図書館が24時間開館というのは事実誤認だということ。図書館附属施設の大学関係者向け自習室を24時間開放している日があるというのが正確で、図書館本体は閉館している。
 また開館時間を延長したり土日開館にするとなると、その分の人件費など諸経費も必要になってくる。学生側から大学への要望ならともかく、市長という立場ではそういう財政的裏付けを全く保障しないのに、大学を飛び越して大学運営の細かい内容にもあたる図書館開館延長だけを一方的に指示できる立場ではないはずである。教育の独立性や大学自治の逆をゆく「口は出すがカネは出さない」行為ではないか。
 さらに大学施設の利用を「サービス」と矮小化しているのも非常に気になる。大学は学生に一方的にサービスを提供する場ではなく、学問研究や教育の場である。学問研究や教育は、サービスという一方的な関係に収まるものではなく、双方向的な取り組みである。
 先のエントリで取り上げた学校選択制にしても、このエントリの大学問題にしても、橋下大阪市長は教育・学術分野に対する知見が著しく薄いと言わざるをえない。こういうレベルで教育分野にも口を出されるのは怖い。
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