山形県長井市立長井南中学校で2012年12月、男子バレーボール部顧問の男性教諭(30代)が部員に平手打ちを加えて鼓膜損傷のケガをさせた上、部員全員に口止めを図っていたことが発覚した。

冬休み中の12月29日の練習中、「移動が遅い」「声が小さい」などとして男子部員2人を平手打ちし、うち1人に鼓膜損傷のケガを負わせた。もう一人の生徒にはケガはなかった。

教諭は暴行当日、部員ら全員に対して口止めを強要した。年明けの1月7日には、「練習中にボールが当たってケガをした」と校長に虚偽報告をおこなった。

しかし保護者の間で「体罰」ではないかという疑問が広がった。その話は校長の耳にも入り、校長は教諭に事情を聞いた。教諭は当初は「事故」として否定したものの、2月20日になり「体罰」・暴行を認めたという。

教諭は暴行の理由について、「士気を高めたかった」などと話したという。口止めの理由については「以前に同僚教諭が『体罰』で異動させられた例が頭に浮かんでもみ消しを図った」などとした。

またこの教諭には、約2年前にも生徒に暴力を加えたことが表面化している。「体罰」・暴力は日常的なものだった可能性も指摘されている。

「体罰」自体もただの言いがかりでの暴行といったほうがよいものであるが、隠蔽も悪質である。表向き「教育的指導」かのように装い「体罰」・暴行を肯定していても、実際に加害行為に及んだあとに隠蔽するということは「後ろめたいことをしている」という自覚があるということを無意識のうちに認めていることでもある。

(参考)
◎体罰:長井市立中、部活で生徒けが当初、教諭が虚偽報告/山形(毎日新聞 2013/2/24)
◎男性教諭、2年前も体罰...市立長井南中(読売新聞 2013/2/25)

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