実教出版の日本史教科書の記述を一部右派や教育委員会が敵視して各地で採択妨害の圧力をかけている問題で、大阪府では採択希望校が出たが府教委が学校の意向をひっくり返そうとしているという情報が流れている。


 『レイバーネット』2013年8月27日配信の記事によると、大阪府立高校では実教出版教科書の採択希望校が8校あった。
 大阪維新の会大阪府議団が8月上旬、実教出版教科書を採択させないよう大阪府教委に申し入れをおこなったという。この席上で「府教委が止められないなら、皆で大挙してその学校に行こうか」と政治介入と学校への恫喝をほのめかす発言をした大阪府議がいたという情報も指摘されている。なお、実際に府議が学校に行ったかどうかについては、サイト筆者は把握していないという。
 大阪府では府立高校教科書採択は、従来は各学校側からの希望をそのまま承認する教育長専決としておこなわれてきた。しかし今年はその方針を変え、8月30日の教育委員会会議で教科書採択を議題にするとしている。
 大阪維新の会の動きや、中原徹大阪府教育長は橋下徹・大阪維新の会代表系の人脈であることからも、実教出版教科書外しがおこなわれる危険性も高まっている。
 東京都や神奈川県では、教育委員会の意向で実教出版教科書外しがおこなわれ、事前に採択希望を示した学校に圧力をかけて撤回させ、実際の採択時には「希望校0」として処理した。
 埼玉県でも自民党などの県議が実教出版教科書を採択させないよう圧力をかけていた事例が発覚している。埼玉県では辛うじて採択が決まったものの、右派県議はこれを問題視して県議会で追及する構えを見せている。
 大阪府では、教育委員会が実教出版の記述を「一面的」とした通知に加えて、議員が政治的圧力をかけるという、二重の妨害が生まれている。こういう圧力は跳ね返さなければならない。
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