佐賀県立高校で2014年度からすべての県立高校の新入生を対象に、1人1台のタブレット端末を活用した教育を開始する計画となっている。しかしその一方で、5万円以上もする端末を生徒の自己負担で購入させようとしていることがわかり、問題となっていることが指摘された。


 『しんぶん赤旗』2013年10月29日付によると、タブレット端末の価格は今後の入札によって清拭決定するものの、5万円を下回る見込みはないとして、生徒・保護者に5万円を自己負担させ、5万円を超過する分のみ県教委が差額を支払う方向で調整しているという。価格を8万円と想定して、1人あたり3万円相当・合計約6800人分約2億円を県費で支払う補正予算が、佐賀県議会で通過した。
 しかしその一方で、高校では授業料無償化措置が実現したものの、教科書代や制服代など諸経費がかかる上に、タブレット単体でも相当の家計負担となることから、「貸与制にしないのか」「経済的困窮家庭や定時制での負担軽減措置はできないのか」などの声があがっている。県内でも、嬉野市議会が自己負担の見直しを求める意見書を可決した。
 しかし古川康佐賀県知事は「端末が買えないからといって入試を受けない家庭はないだろう」などと発言し、自己負担方針を買えない考えを示した。
 タブレット端末を活用した教育を導入すること自体には、反対するつもりはない。しかし導入するにしても、生徒・保護者の経済的負担が重くのしかかる形で強引に進めることは好ましくない。教育の機会均等の原則を十分に尊重する形で、経済的負担についても慎重に検討されるべきであろう。
(参考)
えっ 5万円自己負担?! 佐賀・県立高 情報端末使い教育 不安噴出 「県が購入し貸与を」(しんぶん赤旗2013/10/29)
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集