東京都足立区立中学校3年だった男子生徒が2010年10月に自殺し、いじめを苦にするようなメモが残されていた問題で、足立区の第三者調査委員会は11月21日までに、いじめが自殺の原因の一つとする報告書をまとめた。

 この生徒は、同級生から言葉によるいじめを受けていたという。自殺した時には、「自分がいちばんつらいと思ったのは、あざけりと同情。それも多人数の中でのそれだった」「死にたいと思う原因はこれくらいのものであり」など、いじめを苦にするようなメモが残されていた。

 足立区教育委員会は当時、この生徒が不快なあだ名で呼ばれていたことなどいじめの事実は確認しながらも、自殺との因果関係については「分からない」と結論づけていた。両親が再調査を要望し、2013年2月までに第三者委員会の設置が決まった。足立区は2013年2月28日、自殺事案があったことを公表した。

 足立区は11月21日、近藤弥生区長が記者会見し、これまでいじめを認めなかった対応を「誤りだった」とする見解を出した。

 いじめと自殺との因果関係が認められたのは、落ち着くべきところに落ち着いたとは言えるだろう。しかしここまで長い時間を要した。初期の段階で認められなかったのかという思いもなくはない。

(参考)
◎足立中学生自殺 いじめ原因の1つ(NHKニュース 2013/11/21)
◎中3自殺、いじめ因果関係認める 東京足立区の第三者委(共同通信 2013/11/21)
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