大阪市の市内24区のうち11区で2014年度より実施予定の学校選択制、最終希望状況が11月末までにほぼ出そろい、各区ごと希望状況公表と抽選の有無がウェブサイト上で発表されている。


 学校選択制を利用して区域外就学を希望する児童・生徒は全国的には15~30%前後とされているもと、大阪市では初年度の様子見なのか、区によって多少の数値の違いはあるものの、3~8%前後となっていた。
 これをどう見るのか、初年度の様子見で出足が鈍いのか、それとも学校選択制自体に批判的なのか、さらに分析を要する。
 学校間格差につながってはいけないので具体的な学校名や区名を出すのは控えるが、ざっと見渡した傾向では、選択で校区外就学を希望した児童・生徒は、特に中学校では「評判がいい」とされる特定の学校への希望者が多く集まっている傾向が出つつあるようにも見えた。学校選択制利用希望者のうち半分ほどが特定の中学校に集まっているという例が、いくつかの区で出ている。
 大阪市の今年度の動向は、希望の多い学校では総じて校区外希望者を数十人単位で大量に受け入れる余裕があって抽選は避けられた傾向があり、抽選になった学校は元々受け入れ枠自体が0から数人程度と余裕がない場合が多かった。しかし数年後には、人気が集中したゆえの抽選も起きるのかもしれない。
 大阪市ではかつて、大学進学に有利とされる高校への進学者が多い特定の中学校への越境入学が横行し、1960年代後半以降強力な是正措置をとった歴史がある。そういう芽が再燃しつつあるのかというのが気になる。
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