毎日新聞2014年1月12日付社説『道徳の教科化 規格化はそぐわない』。道徳を「特別の教科」として検定教科書を導入することを検討している政府・文部科学省の動きに対し、危惧を表明する論調となっている。


 同社説では、検定教科書の導入や成績評価など児童・生徒の内面を規格化することがプラスになるのだろうかと疑問を呈し、「内容の改革や充実、先生への支援策に向かうべきではないだろうか」と指摘している。
 そして、以下のように結んでいる。
本来は教科書に頼るのではなく、先生が身近な問題やテーマで授業を工夫し、多様な見方、感じ方から、個人の尊厳や思いやり、互助、勇気、答えがすぐ出ない問題も考える。それが基本でありたい。
 思うことや意見を率直に口にしたら、「規格」に合わないかもしれない――。もし、子供たちにこんな警戒心を芽生えさせることでもあれば、元も子もない。

 毎日新聞社説での危惧は、当然のものであろう。道徳教育は生徒の内面を対象とすることから、客観的な知識や技能という評価基準がある一般の教科と異なり、成績評価をするとすれば必然的に「特定の価値観をどれだけ取得したか」ということになりかねない。教科化では「規格化」になるのも必然であろう。
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