山形市立中学校バレーボール部顧問の男性教諭が少なくとも2010年から13年にかけて、「試合でミスをした」などとして部員の生徒に対して別の生徒をたたくよう命じていた「代理体罰」問題で、山形県教育委員会の幹部が2013年9月、「報道で騒ぎが大きくなった」など責任転嫁の発言を教育委員会定例会でおこなっていたことがわかった。

公表された議事録によると、「懲戒処分を提案する(2013年6月の教育委員会の)時点で、生徒同士をたたかせていた事実を把握していなかったのか」という質問に対し、県教委の阿部善和教職員室長は「把握しており、そうした行為も含めて懲戒処分の議案を提案したが、報道のされ方が一方的で騒ぎが大きくなった」などと発言した。

また生徒にケガがなかったことを理由に、大したことではないから軽い処分と判断したと取れる発言もおこなった。

阿部室長は取材に対し「記憶にないが、会議録に残っているのであれば発言したのだと思う」などと述べたという。

この論理は「体罰」問題を起こした教諭やその支持者の、いわば定番の主張である。「体罰」問題が発覚すると、「体罰」は大したことはないとする者は、「被害者が騒いでいる」「マスコミが一方的に報道している」と責任転嫁して攻撃するのは、いつものことである。

「体罰」は大したことではないという結論が先にあるから、事実からは目をつぶり、大したことでもないのに騒いでいると勝手にすり替えるのである。

こういう発言が教育委員会の会議の場で公然とおこなわれること自体が、認識の低さを表している。

(参考)
◎代理体罰の教諭「報道で騒ぎ大きくなった」釈明(読売新聞 2014-3-19)

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