大阪府教育委員会は3月25日の教育委員会会議で、卒業式や入学式で教職員が「君が代」を斉唱しているかどうかを口元チェックするとした2013年度の通達について、該当部分を削除することを決めた。

 斉唱のチェックそのものは否定せず、チェックの具体的な方法は校長や副校長の裁量に委ねるとしている。

 君が代の「口元チェック」は、元々橋下徹前大阪府知事・現大阪市長の学生時代からの友人でもある中原徹氏(府立高校民間人校長を経て大阪府教育長)が発案したものである。

 「君が代」を強制すること自体、内心の自由を定めた憲法に抵触する可能性がある。口元チェックの廃止自体は当然である。

 しかしその一方で、廃止の理由については、条例や通知で起立性小を厳格化して「違反者」が減少していることで、事務負担に見合わなくなっていることが指摘されている。中原教育長は「(起立斉唱の厳格化徹底で不起立者をなくして)確認行為すら不要になるよう努力する」(2013年10月)という趣旨のことを府議会で答弁している。

 起立斉唱強制自体を当然視するような観点はいただけない。こういう観点も除去されなければならない。

(参考)
◎大阪府教委:君が代対応、校長裁量に 起立斉唱目視を修正(毎日新聞 2014/3/25)
◎君が代の「口元監視」を削除へ 大阪府教委が新通知(共同通信 2014/3/25)
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