中学校社会科公民的分野の教科書で政府から育鵬社版の押し付け策動が続いている沖縄県竹富町で、4月7日に町立中学校の始業式がおこなわれ、3年生の生徒に対して東京書籍版の社会科教科書が配布された。

 八重山地区教科書採択協議会では「つくる会」教科書支持派の策動で、採択手続きを蹂躙した強引な手法で育鵬社版教科書を採択したことになっている。しかし竹富町は手続きを問題視し、採択権が法律上自治体教育委員会にあることを根拠に、現場からの評価が高かった東京書籍版を採択した。

 一方で政府は竹富町の対応を「違法」と一方的に断じ、東京書籍版の教科書の無償給付を拒否している。また2014年には「是正要求」まで出した。

 竹富町では、町費での教科書購入は国の圧力に屈したことになると判断し、町ゆかりの篤志家の寄付で購入する形をとった。

 生徒に東京書籍版の教科書が行き渡ったことは、喜ばしいことである。文部科学省は不当な介入を即時中止すべきである。

(参考)
◎竹富町各中学校で東京書籍版配布 八重山教科書問題(琉球新報 2014/4/7)
◎竹富町教委、東京書籍版を配布(沖縄タイムス 2014/4/7)
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