大阪府戦略本部会議は4月25日、大阪府立大学と大阪市立大学の統合計画について、当初予定していた2016年度の新大学開学を延期すると正式に決めた。

 統合に必要な議会の議決が間に合わないことなどが理由にあげられている。新大学への移行の場合、入試科目の公表など入試スケジュールにも影響が出ることから、「受験生への影響を考慮した」としている。
 この統合計画自体、大阪都構想が大学にも飛び火して「府と市がそれぞれ大学を持っているのは二重行政」と槍玉に挙げられ、政治的主導で統廃合計画となったものである。大学関係者からの要望があって計画が進んでいたわけではない。
 当ブログの2014年4月8日付『大阪府立大・市立大統合計画延期見通しに』のエントリを再掲する。
 あくまでも延期であり、計画そのものが撤回されたわけではない。今後政治主導での統廃合計画が再燃する危険性もはらんでいる。
 現行計画は一度凍結や白紙化したうえで、関係者の意見を集約してから、関係者の多くから「統合の選択肢もある」と声があがった場合は改めて慎重に検討するのが筋であろう。関係者が希望していないのに、政治的意図からの統合先にありきでは、学問の府や自治の場である大学の運営上ふさわしくない。

(参考)
◎大阪)府立大・市立大、2016年の統合延期(朝日新聞 2014年4月26日)
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