毎日新聞社の調査によると、「いじめ防止対策推進法」が施行された2013年9月28日から2014年5月末までの間に自殺した生徒のうち、背景にいじめの疑いがあるとみられる生徒が少なくとも6人いることがわかった。

 都道府県教育委員会への取材と、独自調査の結果を加味してまとめたという。毎日新聞2014年6月11日付『いじめ:「自殺」が中高生6人 防止法施行後』が報じている。

 同記事によると、同紙は2014年6月上旬、各都道府県教育委員会に対し、管内の小中学校・特別支援学校の児童・生徒で「いじめ」「いじめの疑い」が理由の自殺件数が何件あったかについて取材調査をおこなった。
 取材に対し教育委員会が「いじめ」「いじめの疑い」と回答したのは、福岡県の高3男子(2013年11月)、山形県の中1女子(2014年1月)、広島県の高1男子(2014年2月)の3件だった。

 一方で17道県教育委員会が「数も内容も公表しない」と回答した。毎日新聞はその自治体についても独自調査をおこない、長崎県新上五島町立中学校3年男子生徒(2014年1月)、兵庫県たつの市立中学校2年男子生徒(2014年2月)、岩手県滝沢市立中学校2年男子生徒(2014年5月)の3件のケースを「いじめ自殺の疑い」と判断した。教育委員会が回答した件数と合わせて6件(中学生4人、高校生2人)となる。

 いじめ問題については、過去にもいじめ自殺が疑われる事案がマスコミ報道だけでも年に何件も報道されていたにもかかわらず、文科省が都道府県教育委員会を通じておこなった集計では、統計上「いじめ自殺」0件が何年も続いていたこともあった。

 教育委員会が認めないから統計上反映されない、だから事実そのものが存在しないということにしたいのだろうか。過去に問題になったのと変わっていないことになる。

 「いじめ防止対策推進法」には課題もあるが、いじめの防止や早期対策という意味では極めて重要なものである。実効性ある対策を求めたい。
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