東京都の渋谷駅構内で2014年3月、母親とみられる女が幼児を蹴り倒すなどした様子を目撃者が撮影してインターネットに動画投稿し、その後警察にも届けていた案件で、警察から動画投稿者に対し「映っている人物が特定された」と連絡があったことがわかった。『弁護士ドットコム』2014年6月27日の配信で明らかにされている。

 女は「映像に映っているのは自分だ」と認め、児童相談所にも連絡が行ったという。特定された過程については「警察からは最初は『見つからないだろう』と言われていたが、動画が社会的反響を呼んだことで情報提供があったのではないか」としている。

 投稿者は動画については一定の役割を果たしたとして近日中に削除するとした一方、動画撮影時は児童虐待の通報義務を知らなかった・事件発生直後に連絡すればよかったとも話している。

 事件関係者が特定されて児童相談所で対応中というここは、ひとまず安心である。その一方で、児童虐待の通報義務についてはまだまだ知られていないことなど、課題も感じる。

 動画がきっかけとなって個別の児童虐待事案を特定し対応案件となったことにとどまらず、他にも隠れているであろう児童虐待案件にもどう対処していくか、また児童虐待事案そのものをなくすためにどうしていくべきか、改めて考えさせられる。
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