名古屋市教育委員会は7月4日、同市中川区の名古屋市立昭和橋中学校で7月2日の体育の水泳の授業中、2年生の男子生徒が飛び込みで首を骨折する事故があり、首より下が麻痺状態になっていると発表した。

 発表によると、同日午前11時10分頃に事故が起きた。飛び込みの練習で水深1.2メートルのプールに飛び込んだ男子生徒が、飛び込み直後に動かなくなるなど様子がおかしくなった。その様子に指導の男性教諭(33)や周りの生徒らが気づき、プールサイドに引き上げた上で119番通報した。生徒は頚椎を骨折し、脊髄も損傷していると診断された。首より下が麻痺して動かない状態になっているという。

 かつて水泳授業中の飛び込みで事故が相次いだことから、2012年度改定の学習指導要領より飛び込み指導は原則禁止されている。また名古屋市教育委員会でも学習指導要領実施前の2009年度より独自に、市立中学校1・2年での飛び込み指導を禁止する通達を出している。指導教員は2010年度、名古屋市教育委員会が実施した水泳指導の研修に参加していた。

 しかし指導教員は事故後の事情聴取に対して、「学習指導要領の改定を十分に把握せず、全面禁止は認識していなかった。段階的になら指導できると思い込んでいた」などと話したという。

 生徒が回復することを願うとともに、このような事故が起きないためにはどうすればいいのか考えていかなければならない。指導教諭がなぜ学習指導要領改定と飛び込み指導禁止を把握していなかったのか、また他の体育教員にもこのことを認識していない人がいるのかどうかという点は、詳細に解明されるべきだろう。

(参考)
◎水泳授業で飛び込み首骨折 名古屋の中2男子(中日新聞 2014/7/4)
◎中学生が水泳授業中の飛び込みで首骨折、学習指導要領では禁止(スポーツ報知 2014/7/4)
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