大阪府松原市教育委員会が、朝日新聞が作成した学校向け教材「知る沖縄戦」を「不適切」と判断して市立小学校から回収したと、産経新聞が報じている。

 産経新聞の記事『朝日新聞教材「知る沖縄戦」の強姦記述「不適切」 大阪・松原の小学校が回収…有識者は「偏向」批判』(2014年12月6日)はこの措置を支持・賛成する立場からのものなので注意が必要だが、経過は以下のようである。

 ある市立小学校で2014年6月、「知る沖縄戦」を6年生2学級分を注文した。この教材は2014年10月、広島への修学旅行の事前学習として活用された。しかし授業後に保護者が「一方的な歴史観に基づく教材」としてクレームを入れたという。

 松原市教育委員会は抗議を受け、教材の「アメリカの捕虜になると男は股裂きに、女は強姦されると信じていたため、誰も応じなかった」との記述を「強姦の記述は不適切」などと難癖をつけて不適切とした。学校側が自主回収した上で、授業は不適切だったと児童らに謝罪したという。

 しかし教材の記述は一方的でも何でもなく、歴史研究を踏まえた事実である。単語一つに揚げ足を取って難癖をつけ、事実そのものを否定して抹殺しようとする悪意が透けて見える。不適切として謝罪し、自主回収措置を撤回すべきなのは、市教委の側ではないか。

 この教材については、国会でも義家弘介(自民党)・田沼隆志(次世代の党)の各衆議院議員が、槍玉に挙げて攻撃する国会質問をおこなったこともある。この動きとも連動しているといえるのではないか。
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集