新潟県立阿賀野高校3年だった女子生徒が2010年6月に自殺し、背景にいじめが指摘された問題で、新潟県が設置した調査委員会は12月21日、自殺の原因を「閉塞感、孤独感からくる適応障害の状態」として、いじめとは認めない調査報告をまとめた。

 この生徒は、同級生からの悪口があったなど、いじめを受けたことをうかがわせる遺書を残していた。

 調査報告では、体育のバレーボールの授業でこの女子生徒がプレーミスをしたことに対して同級生が悪口を言ったという事実は認めたものの、この案件は「試合に負けた悔しさで発言した」などと分析し、悪口を言った生徒が非難されるようないじめではないとした。

 学校側が悪口などには十分対処しなかった点や、自殺原因の調査が漠然と行われたことも指摘した。

 これには生徒の遺族側が「いじめられたから適応障害になったのではないか」と、調査結果に強い疑問を呈しているという。疑問は当然であろう。いじめはなかったという結論が先にあって、普通に考えればいじめと認められるような事象を、あれこれ理屈をつけて恣意的に「いじめではない」という結論に持って行っているとしか思えない。

(参考)
◎いじめが自殺原因と認めず 阿賀野高生自殺で調査委(新潟日報 2014/12/22)
◎阿賀野高生自殺問題「いじめ認められない」(新潟県)(テレビ新潟 2014/12/21)
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