東京都教育委員会は2013年度までに、すべての都立高校で日本史を独自に必修化する方針を決めました。


 一般的にいって、幅広い視野と教養を身につけるという視点から日本史に限らず幅広く学んだ方がいいという意味では、学校の判断で日本史を必修科目とすることもありえるでしょう。
 しかし東京都教育委員会は「日本人としてのアイデンティティーをはぐくむために重要な科目」とし、偏狭な国粋主義的発想が必修化の背景にあるとみられます。必修化という結論だけは同じに見えますが、そこに至るまでのプロセスは全く正反対であり、このような動機からの日本史必修化には危機感と不安感を感じます。
 横浜市立高校や神奈川県立高校でも、東京都と似たような理由で全校での日本史必修化を決めています。
 誤った思惑に対しては警戒し打ち破りながらも、民主主義社会や国際社会にふさわしい幅広い視野と教養を身につけられるような日本史学習を進めることが必要になってくるといえます。
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