三重県度会郡玉城町の三重県立特別支援学校玉城わかば学園で6月上旬、中等部1年の男子生徒がスクールバス乗車の際、教師の「指導」を受けた直後に顔にあざができていたことがわかりました。


 同校は知的障害児を対象にした特別支援学校だということです。事件は6月4日に発生しました。下校のスクールバスの発車直前、「男子生徒が席を立った」などとして、添乗していた高等部所属の男性教諭(50代)がこの生徒に対して座るよう「指導」したということです。
 帰宅直後、生徒の顔にあざができていることに保護者が気づき、学校に連絡しました。
 教諭は「座らせようとして肩や手を押さえた」と話したということですが、それ以上の具体的な状況は明らかにしていません。学校側は「暴力や『体罰』ではないが、子どもがけがをしているのは結果的に行き過ぎた指導」としているということです。
 普通に「座らせようとして肩や手を押さえた」だけではあざはできません。何らかの原因で、どこかに顔をぶつけるなど何らかの強い力がかかったと考えるのが自然です。
 過去には「知的障害児だから被害を訴えられない」「けがが発覚すれば『けがの原因は不明』、もしくは被害証言があっても『曖昧・信用できない』ということにして逃げ切ろうとする」という、特別支援学校や特別支援学級に関わる暴力事件やわいせつ事件もいくつも発生してきました。もっとも浦安事件(2003年に発生した、千葉県浦安市立小学校養護学級担任による暴力・性的虐待)のように、加害者がいくら事件を否定して工作しても、加害者の嘘がばれて犯行が全面認定されたというケースも多いのですが。
 この事例については現時点では、暴力があったかどうかも含めて、けがの発生状況・原因については断定できません。しかし責任逃れや保身に走ることなく、徹底的に調査すべき事案だといえます。
(参考)
◎下校中生徒にけがをさせる 特別支援学校の教諭(朝日新聞・三重県版 2010/6/12)
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