福岡市東区で2009年に発生した医療ネグレクトによる7ヶ月男児虐待死事件で、福岡市は7月2日、検証報告書を発表しました。


 この事件は、男児(2009年2月生まれ)が重度のアトピー性皮膚炎があるのに両親は病院を受診させず、同年10月にアトピー性皮膚炎悪化による感染症で死亡させた事件です。
 両親は宗教団体の職員で、2010年1月に保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されました。この宗教団体の教義の「手かざしによる浄霊」で病気を治そうとしたと供述しているということです。その後起訴され、7月12日に初公判の予定だといいます。
 検証報告書では、死亡した児童が4ヶ月検診を受診せず、また民生委員や保健師が家庭訪問を実施して接触を図りましたが児童には会えなかったことなどが明らかにされました。
 乳幼児検診を受けない家庭で虐待が起きていたケースは多いといいます。一方で福岡市は、虐待の疑いを察知していなければ特に措置をとっていないということです。このことを踏まえて検証報告書では、家庭訪問を3回試みて児童に会えなかった場合は児童相談所に通告する仕組みを作るよう提言したといいます。
 子どもの安否や状況が確認できない場合には早めに対策をとること、これこそが重要であり、児童相談所への早期通告などの措置も必要になってくるといえます。
(参考)
◎子供に3回会えなければ児相通告…福岡市に提言(読売新聞 2010/7/4)
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