東京都教育委員会は7月8日、都立高校の「進学指導重点校」の指定について、2013年度より「いわゆる難関大学の現役合格15人以上」「6割の生徒がセンター試験を受験し、受験者の1割が8割以上の得点」とする基準を導入することを決めました。


 「進学指導重点校」制度は2001年度に始まりました。2010年時点では7校が設定されているといいます。
 東京都教育委員会が「難関大学」として設定している特定の4大学への合格者数は、学校間で数値に著しい差があるとして指標の導入を決めたということです。特定大学への合格実績がふるわない学校は指定から外すことも検討するということです。
 しかし特定大学への合格者数を高校の指標かのように扱うこと自体が、学校教育になじみません。
 「進学指導重点校」という発想自体、進路指導を「特定大学への合格者数という狭い意味での進学指導」に矮小化した俗物的発想です。さらに合格者数を数値目標としても、俗物的発想によるゆがみをさらに拡大させることにつながるだけです。
 重要なことは特定大学への合格者数という「集団・数字」の観点ではなく、一人一人の生徒の自己実現という「個」の観点から進路指導をおこなっていくことではないかといえます。
(参考)
「難関大現役合格15人」都立の進学重点校選定に新基準(asahi.com 2010/7/8)
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