滋賀県愛荘町立秦荘中学校で2009年に発生した柔道部員死亡事故で、町の第三者委員会は7月14日、初心者に対する過酷な練習が原因とする報告書を出しました。


 元顧問(事件後依願退職)の指導が不適切だったとし、また記者会見では学校の管理体制にも問題があったと指摘しています。
 京都新聞の記事(web版、2010/7/14配信)によると、報告書では事故の要因について以下のように指摘したといいます。
 報告書では、事故があった昨年7月29日の練習について、気温が30度に達する中、実戦形式の「乱取り」を高校生や大学生並みに約2時間も行うなど「初心者にふさわしくなく、強行で限界を超えた内容」と指摘した。
 死因となった急性硬膜下血腫について、村田正夫委員長(びわこ成蹊スポーツ大准教授)は「部活の練習中に頭をぶつけた可能性が高い」と説明した。練習の休憩時に方向感覚を失って足がふらつく脳振とうの症状を見せており「その時点でやめさせていれば最悪の事態は回避できたという意見が委員会であった」とした。
(京都新聞2010/7/14『「過酷な練習が原因」愛荘・柔道部中1死亡で第三者委』)

 遺族側は報告書への元顧問・学校側の責任を明記することを求め、また元顧問による日常的な「体罰」があったのかどうかについてもあわせて調査を求めているということですが、これらの点については追って検討するということです。
 現時点では第一報的な新聞報道でしかわからない部分があるので、報告書の中身については断定的なことはいえません。報告書の内容は原因に深く踏み込んでいるのか、それとも表面的な内容にとどまっているのかが気になります。
 少なくとも、報告書を出せばそれで終わりというわけではありません。同種事故を防止するためにはどのようにしていけばいいのかという具体的な取り組みこそが重要になります。
(参考)
「過酷な練習が原因」愛荘・柔道部中1死亡で第三者委(京都新聞web 2010/7/14)
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