熊本県内で6月上旬におこなわれた中学校サッカー部の練習試合中、水俣市立中学校の生徒が相手チームの熊本県内の他地域の生徒から「水俣病、触るな」などと発言を受けていたことが、7月14日までにわかりました。


 接触プレーの際、相手チームの生徒1人が複数の生徒に発言したということです。試合終了直後に水俣市の顧問教諭が指摘し、発言した生徒や相手チームの顧問教諭がその場で謝罪したといいます。
 また相手チームの学校の校長や教育長らが後日、水俣市を訪問して謝罪し、校内で研修会などを開催したといいます。
 生徒の発言は差別的ともとれる問題発言であり、きわめて残念なことです。
 水俣病については、小中学校の社会科教科書にも公害の代表例として掲載されるなどしている重要事項です。中学校では地理(主に1~2年で学習)・歴史(主に1~2年で学習)・公民(主に3年生で学習)ともに掲載されています。小学校でも5年生の環境・公害問題の単元で必ずといっていいほど取り上げられます。水俣病の記述に数ページを割いている教科書もあります。また熊本という土地柄、小学校3~4年の社会科での地域学習でも他地域以上に取り上げる機会が多いでしょう。
 しかしこのような差別的罵倒ともとれるような発言となって出てくるということは、学習が表面的なものにとどまっていたということがうかがわれることになり、教育のあり方が問われることになるのはいうまでもありません。
 その一方で、この問題はあくまでも教育的観点から自主的に解決していく問題です。過去には、表向きは「人権」を掲げながら実際には人権侵害を繰り返して平然としているような一部自称「人権団体」が、「差別発言」を口実に学校に自らの政治的主張を押しつけようと脅迫・恫喝を繰り返し教育活動に重大な悪影響を与えた事件もこれまでに多数起きています。このような特定団体の政治的介入はあってはなりません。
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